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ノンちゃん。今、階段をすれ違ったのは、たしかに彼女だ。ぼくが、青春といえるような陽光降り注ぐとある日の午後、やはりこの駅の高架橋で彼女と出会った。
そうこうする話を書いてと。 ノンノン、僕から逃れてターンをしては、誇らしく飛んでゆく。そんな仕草に僕は釘付け、時は止まる。 白い港町。プライベートの砂浜から子供たちの嬌声。風船が飛交い、縞々テントのクレープ屋で僕達は接吻を交わしている。 海辺の小さなアトリエで、僕は、仲間と芝居のセリフ合わせをしている。君はトウシューズの足を窓枠に預け、ずっと向こうの水平線を見ていた。あの時代のささやかな夢、僕らの哲学、いつだって繰り返す、いつだって戻ってくる。水平線の向こうにマストの先が消えても、日が昇れば、必ず戻る。はためく愛の旗が見える、そう信じた。僕のプリマ、苦い幸せの残像を運んで、また夏が来る。
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冒険ネット入口 |
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■思い出と浪漫 よみがえるあのシーン。僕らは帰る。あの青春のまっただ中へ |
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