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午前2時、おなかが張るようで寝苦しく、ぼくはトイレにたった。布団に戻りかけてみれば、天井あたりでかさこそする音が聞こえる。いつもの事だが、ちょっと怖じ気づき、意を決して睨みつけながら布団に滑り込む。何も聞こえない何も・・そう云い聞かせて・・。だが、ドアが、寝室のドアがそっとあいた。
白い港町。プライベートの砂浜から子供たちの嬌声。風船が飛交い、縞々テントのクレープ屋で僕達は接吻を交わしている。 海辺の小さなアトリエで、僕は、仲間と芝居のセリフ合わせをしている。君はトウシューズの足を窓枠に預け、ずっと向こうの水平線を見ていた。あの時代のささやかな夢、僕らの哲学、いつだって繰り返す、いつだって戻ってくる。水平線の向こうにマストの先が消えても、日が昇れば、必ず戻る。はためく愛の旗が見える、そう信じた。僕のプリマ、苦い幸せの残像を運んで、また夏が来る。 |
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冒険ネット入口 |
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■思い出と浪漫 |
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f分の1ゆらぎの澄んだ音色が、心を静かに癒す |
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